文:前田敏康(前田畳製作所 代表)
お菓子は〜さん、家の修理は〜さんと、近所の「〜さん」が決まっているまち。
最近はそういうのも薄れてきていますが、西宮にはまだまだ残っていると感じています。そこで「畳は前田」と指名してもらえるのは本当に嬉しく有難く思っています。もちろん近いだけの安心感ではダメ。みなさん目利きができます。しっかりと違いを理解されています。
畳は必ずサンプルを見て選んでもらうようにしていますが、「あなたにお任せしますから」の言葉に何度緊張したことか。作業が終わり縁側やリビングで世間話をしながらお茶をいただく時間は、キッチリ納まった達成感と満足していただいた様子が言葉ではなく伝わりこの上なく心地いい。畳を通じてたくさんのご縁を頂戴し“人として“を成長させてもらっているようにも思います。映画「阪急電車」のような世界観そのまんまだなぁと思うことがよくあるまちです。
お客様の信頼に応えられているか、今でも自問自答しながらいますが、同じお客様から2回、3回とご依頼いただくようになったり、またご紹介いただいたりを繰り返すようになっていることはその評価として有難く感じています。